ハードなお話し
紫外線殺菌のお話し
通常の熱帯魚の飼育において、紫外線殺菌の必要では無いかもしれません。
それは、一般的な熱帯魚は適した病気治療薬が有りますし、薬品に弱い水草の入っている、水草レイアウト水槽にしても、最近は水草にダメージを与えずに治療の出来る薬品も市販されてます。
でも、無脊椎水槽やアジアアロワナ水槽は、薬品に弱い事からも、それらの予防に紫外線殺菌を検討される方も多いようです。

紫外線は、本来レインボーカラーで表示される目に見える波長の光線(可視光線・電磁波)とは異なり、それよりも短い波長の100〜400nm(ナノメートル)の光線を指します。紫外線よりも短い波長にはレントゲンにも使われるX線があることからもお分かりのように、可視光線よりも短い波長は、化学作用の強い光線が多い代わりに、透過力が弱いのが特徴です。

したがって、紫外線殺菌装置の取り扱いには2,3の注意点があります。
まず、もっとも強い殺菌力を有した253.7nm付近の波長を出すタイプを選ぶ。
そして、水と接触するジャケットに普通のガラスではなく、石英管(クオーツ)を採用したものを選ぶ事。 紫外線が透過力が弱いと言う事は、ジャケットの性能により水に触れる事が出来る紫外線量に差が出ると言う事ですから、とても重要なポイントです。
ちなみに、元の紫外線量を100%として、1ミリの窓ガラスを透過出来る紫外線量がゼロであるのに対して、石英ガラスであれば、2.5ミリの厚さであっても90%も透過してくれるのです。 この差は大きいです。

また、意外と誰も知らないのが、水に触れている部分のジャケットの定期的な清掃です。 セットしたら、そのままってこと有りませんよね?
ジャケット表面にうっすら汚れが付着するだけで、紫外線量は格段に低下します。
紫外線ランプは点いてるけどジャケットが汚れてれば、殆ど紫外線の効果が出てないってことは多いんです。 定期的に清掃してください。
それと、通過させる水の透明度や含まれる不純物によって、殺菌力も異なりますので、必ず、濾過後のファイナルトリートメントとして使用しましょう。

ちなみに、水面から紫外線を照射して紫外線量が1/10になる水の距離は、蒸留水が3メートルであるのに対して、水道水では10センチ〜80センチ止まり。海水に至っては5センチくらいで1/10の紫外線の量になってしまいます。
つまり、紫外線の文献で得られた、有る菌の殺菌に要する接触時間が1分だとすれば、海水で5センチ下に居る菌を殺すのには10分掛かってしまう計算になります。

紫外線の殺菌力=紫外線のW数と照射時間で決定しますが、これに距離と照度が反比例する事をファクターとして加えないと、思ってるのと違う結果になったりします。

つまり、しっかり殺菌するにはジャケットと水の間隔が短いタイプの反応灯タイプがベストとなります。 安価な方法としては、普通の上部ランプに取り付ける紫外線ランプが大手ランプメーカーから2000円前後で入手出来ますが、この方法だと、濾過装置の上にセットしたり、光が漏れないような工夫(アクリル水槽の劣化や人体にも有害、目にも良くない。)が必要なので、ある程度DIYに自身のある人向けです。

病原菌の殺菌や予防に使用されることが多い紫外線ランプですが、水のアオコの除去とか緑化防止にも効果があります。
苔やアオコ等の藻類は、紫外線に対しての耐性も菌に較べると強いですから、殺藻処理の場合、循環水量または処理容量は商品に説明してある処理能力の最低の数値で効果があると思われたほうが良いでしょう。
アオコが無くなっていくという事は藻の胞子まで殺菌されて来てる訳ですから、それよりも弱い病原菌や一般の雑菌は死滅したと考えてよいです。

でも、紫外線の常時照射は、魚を無菌室で飼育するようなもので、紫外線が切れたときに持ち込まれた菌に対しての免疫力が低下しますので、あくまでも狙った効果が得られたら停止すると言う、短期間での使用に限られたほうが良いと思われます。
栽培漁業センターでの稚魚や稚貝の育苗課程においても、やはり紫外線使用下での個体は弱いものが多いですから。