ハードなお話し
ミズミミズのお話し
ミズミミズ。ある日ふと気が付くと、飼育水槽の中をフラフラ漂う10ミリあるかないかの糸状の生物。見た目が気持悪いのか掲示板とかでも、「ミズミミズが出て困っています」という書込みを目にします。
ミミズ族は古生代(6億年位前)に現れたと言われていて、オルドビス紀(5億年)の地層から化石が発見されていますし、「エジプトはナイルの賜物」と言われていますが、ナイル川の豊穣な土壌はミミズの賜物とも言われています。
それくらい古くから人間に認知されていて外国では、土壌を活性化させるためには主役とも言うべき扱いをされています。ミミズは腐敗の進んでいないような新鮮な食物や堆肥までオールマイティーに食べることが出来て、食物摂取の際に酵素を利用して有機物を分解しますし、ミミズの体の中を通過する際に大腸菌やセラチア菌とかを破壊することも知られています。
またミミズの食べた有機物は糞として排泄されますが、それらの糞は有機物としては、より低分子化されていますので、濾過細菌が摂取しやすい形になっていますから有機物の分解効率もアップします。
また、土壌の中での話ですが、ろ材のお話でヘドロの匂いが土の匂いをするのは放線菌です、良い菌ですと記述しましたが、ミミズの糞は放線菌を活性化させることが出来るのは有名な話です。 ミミズの存在により菌中で有機物分解時に働く酵素ニトロゲナーゼの活性が高まることも研究で明らかになっています。

このようにミミズの存在は有機物の分解や分解菌の活性化には密接な影響があるものとしてミミズの有効利用がわが国でも検討されています。
家庭で出る生ゴミを分解して堆肥化するシステムの主役にミミズを利用したり、昔からある土壌浸透法という人工的に礫を積んだ地面に排水を流して分解する方法も福島の会津坂下町等で実稼動していますし、オランダ、ニュージーランドやオーストラリア、アフリカ諸国でもミミズ利用により農作物土壌の改善を行っていますので、言うなれば今のエコロジーブームの先駆者たる生物であるといっても大袈裟ではありません。

ミズミミズが濾過槽に存在するということは濾過細菌の分解効率を高める役目をしますので、ろ材の間に蓄積されるヘドロの減少に役立ってくれてますし、いないと困る生物なのです。
よく、熱帯魚飼育の本にミズミミズが発生するというのは水が悪くなった時に発生するといいますが、水が悪くなるという表現は非常に広い意味を持っていますが、本来、ミズミミズが大量発生するということはヘドロがたくさん出るほど濾過容量が小さいか、または微生物が食べきれないくらいの汚れ(残餌・魚の排泄物)が濾過槽に流入してくるという意味ですので、その環境においてはミズミミズは増加するでしょうし、逆に言えばミズミミズが居なければ、もっと水が悪化しているともいえます。
ミズミミズが居るから水質が悪化するのではなく、水質が悪化してきたからミズミミズが増殖したのです。 これを間違えて貰いたくないので書きました。

本来、ミズミミズは水質の悪化や変化に弱い生物で、飼育水槽にミズミミズが流れてくるということは濾過槽にへばりつくことが出来ない=弱った状態なのですから、水質の変化があったと見てよいのです。
つまり、ミズミミズが飼育槽に出て来るのは水質悪化の前触れであったり、水質悪化により魚が調子を崩す前触であることが多く、バロメーターになると思って下さい。
また、濾過槽を掃除したり循環水量が増加した際にも飼育水槽に流れてきますので、その場合とは水質変化とは別だと理解して下さい。

上のミミズの効能は一般論であり、ミズミミズが、どれほどの仕事をこなしているか誰も研究していませんので明言は出来ませんが、濾過を助けている役に立つ生物であることは事実です。
飼育水槽を漂って鬱陶しいときはコアカやグラミーを離してやれば数日の内に食べてくれますし(その前にコアカがアジアに食べられたりして)、ミミズは別名、土龍・赤龍・地龍子とも呼ばれますので、まあ、同じ龍を飼っているわけですから、大目に見てやれば如何でしょう。

こう書けばミズミミズも、そんなに嫌われないのではないかと思いますが・・・やっぱり、嫌いですか!(笑)