
| ハードなお話し | ||||
| 麦飯石のお話し | ||||
| 数年前、麦飯石溶液がPSB同様。爆発的に熱帯魚業界でヒットしましたよね? 1社が売れるとなると、似たような商品がドバドバ出て、これまたPSBと 同じような商品展開になってました。 私も麦飯石は15年位前から食品加工業界に卸してますので、知っていることを 纏めて見ます。 麦飯石は中国・明の時代に「本草綱目」という、漢方薬のバイブルにも 出典されている歴史の古い石です。 細かく粉末に磨り潰したものをニキビや吹き出物に塗布する事で、 素早い薬効を出す石として、商品名は言えませんが、市販のニキビ薬の カオリン成分に相当するものが原料として麦飯石パウダーが使用されています。 要は、毒素や膿を吸い出して、患部を早く乾かすのに利用されていたようです。 見た目の色が、麦の飯に似ていることからベタなネーミングがついてますが、 石英斑岩といわれる石で、カオリン状(多孔質)であることから、物性的には 活性炭のように菌や水中の不純物を吸着出来る性質を持っています。 麦飯石の研究が国内で最も進んでいるのは岐阜薬科大学で、この石の 最大の特徴は25000種にも及ぶ、多種のミネラル成分を微量ながら、 バランスよく含んでいる点と、水質調整する能力がある点です。 基本的に低pHの水を上げ、高pHの水を下げて7.0〜7.3程度に 調整します。同様に水の硬度も調整出来ますが、GHで5〜8と、 やや高めに安定するため、ろ材としての大量使用にはアジアに 向かないものと思われます。 一時期爆発的にヒットした麦飯石溶液は、超微粒子にしても吸着特性 を失わない麦飯石の吸着能力を利用して、水中の微量固形分や 苔の胞子、硝酸塩等を吸着させて上で、濾過槽のろ材に捕捉させる ことで、水をピカピカにするのが売りだったのでしたが、メーカーに よっては、微粒子のメッシュが小魚の鰓に引っ掛かり、魚が死ぬとかの トラブルの出る商品もあると聞いています。 それと勘違いされている方も居ますので、書きますが、麦飯石溶液を入れると水がピカピカになるのは、水中の懸濁物質を麦飯石が物理吸着し、それを濾過槽のろ材の表面に湧いたバクテリアによるフロックのゼラチン物質が麦飯石粒子を絡めとって捕捉することで初めて透明度が得られるわけで(ハードなお話/ろ材の汚泥と微生物をご参考下さい)、セット直後の水槽がろ材や底砂の汚れで濁っているからと言って、ろ材にバクテリアが立ちあがっていなければ、麦飯石溶液を入れてもバクテリアによる捕捉が無いため、いつまで経っても濁りは取れません。(別の角度から言えば、水槽内がセット直後、なんとなく濁っていてもバクテリアが濾過槽で立ちあがりますと、正に朝目覚めたら水槽がスキッと透明になっていることがありますが、この段階で初めてバクテリアがろ材に定着し繁殖し始めた目安にすることも出来ます。) 業務用としては、24時間循環風呂のろ材に使用されたり、 浄水器に用いられたりしていて、ウチの場合はうどんやパンの練り水 、麺スープや浅漬けの漬物の調味液、明太子の調味液の原料水とかにも 使用して貰っています。 効果は、菌の繁殖が遅い事。 これは、各ミネラルが原料水に溶出することで、 ミネラル成分自体の制菌作用と、ミネラル溶解による浸透圧の変化により 菌が繁殖しにくくなるからです。 また、原料水に様々なミネラルが溶ける ことで、食味の際に味覚が複雑になる分、味がマイルドになるメリットも あります。 ミネラル成分のバランスや、カオリン状の割合によって、価格が 大きく左右されますが、国内で最も有名なのは「白川石」といわれる 岐阜の白川郷で採石されるものが最も高価です。 量産品の大半は中国産麦飯石ですが、価格は安いものの、白川石 ほどの能力はありません。 元々、熱帯魚に入る前に金魚にのぼせたキッカケも、オヤジが突然、 1500水槽を買って来て、鯛やフグやヒラメと錦鯉や金魚の淡水魚と 海水魚が共存出来る水槽を麦飯石をろ材にすれば出来ると人に 聞いてきたからで、その共存水槽を作ったときは感動したものです。 あとになって、判ったのは海水魚と鯉や金魚は海水の1/3〜1/2 位の塩分濃度にゆっくり順化させれば誰でも遊泳出来るという事で、 おまけに中に居る魚たちは辛うじて生きているという状態で、 とても、すくすく成長出来るレベルではなく、徐々に落ちていきましたが、 魚の飼育自体、無知だった当時の私にはなす術も有りませんでした。 現在、この水槽は水草水槽として利用されています。 あと、余談ですが、麦飯石は遠赤外線の放出能力も高く、水の クラスターを小さくする力もあります。 吸着性能の良い麦飯石かどうかを調べるための、判り易いテストとして、 例えば1リットルの水道水に万年筆のインクを垂らして、うっすらと 色を付けておき、それを半分に分けて、この着色溶液に種類の 異なる麦飯石を1gずつ投入して、24時間経過後の、インクの色の 薄くなり具合で、その麦飯石の多孔質度合いが判りますので、 1つの目安になるのでは無いかと思います。 私は活性炭の性能テストにも、この方法をよく使っています。 |
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