ハードなお話し
ドライ濾過
ドライ濾過は最近、雑誌でも取り上げられてますし、使用されている方も増えていると聞きます。
ドライ濾過自体はディスカスや海水魚等にも利用されていて、何か、新しい処理方法のようですが、排水処理の分野では「散水ろ床式」と呼ばれるシステムとして1940年代くらいから工業的に利用されている歴史の古いシステムです。

メリットとデメリットについて述べてみましょう。

メリット
1)ろ材が水没しないので、空気を取り入れやすい事から好気性バクテリアを活性化するのにエアレーション等の余計な設備が不要。
2)濾過槽自体の水深が殆ど無いため、タワー型に設計すれば、設置面積が少なくて済み、高さがあっても水圧がない分、薄い板厚で濾過槽設計が可能。 場合によっては飼育水槽の上に設置する事も可能。
3)飼育原水は上から下へ落下する際に水中の有害ガス(アンモニア等)を気化・除去させやすい。
4)ろ材にヘドロが付着しにくいのと、高さを確保しても目詰まりしにくいので、長期間に渡りメンテナンスが不要。

デメリット
1)設置面積を狭く設計する分、高さを確保する必要が有るため、上から散水すると、一定の水の流れ(短絡水路)が出来やすく、全てのろ材を有機物分解に利用するのは困難。
2)ある程度、ろ材表面にバクテリアの生物膜が形成出来ても、それを洗い流す事になるため、単独使用で飼育水槽に処理水を返送すると水の濁りが消えない。
3)魚飼育水槽の場合、排水処理と異なり、有機物濃度が遙に低いため、ヘドロ形成の目詰まりが少ない反面、生物膜が薄く、膜内部での嫌気性バクテリアの活動が望めない事から、処理レベルがウエット式より低い。
4)外気に触れると言う事は、それだけ外気温の影響を受け易くなるため、冬季では水温低下の心配が出てくる。但し、夏場ではドライタワーに冷却ファンを設置する事で、潜熱の関係で、水温を下げるメリットも出せる。

従って、メリット・デメリットを考慮したお勧めのドライタワーの利用法としては、
1)あくまでも、ウェット濾過の前処理として考え、単独使用での濾過を考えない。 ディスカスのような頻繁な大量水換えの場合は、単独でも可。
2)ドライ濾過の最上部にウールマットをギッシリ敷いて、残餌や糞がドライ濾過槽内に混入しないよう配慮する。・・・目詰まりを防ぐため、とても重要です。
3)散水方法はシャワーパイプを複数設置したり、パンチ板で1度水を受ける等の均一な散水のための工夫が必要。

そして、私のようなおカネが無い人のお勧め方法は、飼育設備(2)で紹介したようなコンテナーや衣装ケースの複数積み、場所に余裕があればポリバケツの複数積みも良いでしょう。 水の出口には、前述のフィッティングの使用が有効です。
ろ材も、ウッドチップや軽石が安くて入手しやすいと思えます。

尚、ドライ濾過槽で悪臭が出ている場合や、虫が湧くような場合、これはヘドロの蓄積や通気不足、ろ材の目詰まりが発生している証拠で、汚染量に対してろ材の容量が不足しているかウールマットの量が不足していて固形有機物が流れてきていると推察されますので、そのあたりのポイントをチェックしてみてください。