ハードなお話し
きらり庵・濾過設備
次は、きらり庵の濾過ユニットを中心に説明していきます。


上が、濾過のフローシートです。
御覧頂くように飼育水は一度、ドライ濾過を通過してからメインのウェット濾過に流入していきます。 そして、図のようにリフトパイプを10本立ち上げた状態で底面濾過を行なっています。 10本のリフトパイプのうち、5本は各水槽へのポンプに連結されていて濾過水を各水槽へ送り込む役目をしますが、残りの5本はエアーリフトにより、濾過槽内を水が循環して、何度も濾過する意味と空気曝気による溶存酸素の役目をしています。
ただ、高さ的に水槽7,8はメインドライ濾過には配管の取り回しを行なうとオーバーフローが困難な為、ウェット濾過槽内にサブドライ濾過槽を設けて、そこにオーバーフローするように配管した。
底面濾過は1層であり、面積が広い為、水の流れ難い「死に水域」が出来やすい。 したがって、このようなリフトパイプが多い方が、より均一な水の流れを生む事が出来るのです。
これは、メインドライ濾過を中心とした画像です。そして、左側の画像を見ていただくように、まずウールマットを通過してからウッドチップを通過してメインウェットに水が落ちてきます。 右側画像の中央付近の銀色の物体は浄化槽用のブロワーで、40L/minを各飼育槽にコックにて分散して送風しています。 その浄化槽ブロワーの載っている部分の下にサブドライ濾過槽があります。
上の左画像が、斜め上から見たサブドライ濾過槽でして、これは底面部分のみザルの目になっている大型のプランターを、そのまま使用しています。 ホームセンターで800〜1000円程度で丁度良いものがありました。 この槽も、やはりウールマットの下にウッドチップが入っています。 右側画像はメインウエット濾過槽の前に、各水槽用のポンプを並べています。 大きなポンプ1台で、各水槽に送水するという考えも有りますが、陸上ポンプはW数が大きくなると、音が大きくなる点と、停止した際、複数台数の場合はリスクも少ないという事で、ポンプを複数設置しました。
上の画像の左側はメインウェット濾過槽の底面部分で、このようなパイプをカットした同寸法の筒を並べています。 これは全面底面濾過である以上、パンチング板を底面に敷くわけで、水を廻す為のスペース(高さ)を稼ぐ為に不可欠であり、多数並べるほど、パンチ板に載るろ材の重量を分散してくれるので、大切な工程です。 ちなみに画像では判り難いですが、カットしたパイプの内側部分の水が「死に水にならないようにこのスペーサーには、全て縦方向のスリットを入れています。
そして右画像が、底面全体にパンチング板を敷いた状態で、上に立ち上がっているパイプ(VP13A)がリフトパイプです。
 底面に這っている3本のパイプはろ材をエアーで逆洗するためのパイプで、普段は使用しません。 この逆洗パイプには、ドリルで多数の穴が開いていて、上画像の40L/minのブロワーとホースで繋いで曝気洗浄するわけです。
リフトパイプについて、判り難いかもしれませんので、断面図として説明します。 左の図はポンプで吸引する方ではなくて、エアーリフトによる濾過です。
スノコ板の上下をバルブソケットと水栓ソケットにてネジ合わせてサンドイッチします。  それに塩ビパイプを水深よりも5センチ以下くらいの高さにして糊にて接着します。 この固定はとても重要で、ろ材を入れた後、パイプが抜けたりソケットが穴から外れたりするとスノコに開けた穴からろ材がこぼれ、吸引ポンプが石を噛んで故障の原因にもなるからです。 市販の底面濾過キットは高価な割に、このリフトパイプ部分の取り付けが甘いものが多く、私は何度も痛い目に有ってます。

次に、このパイプの中に白い小さな筒状の散気管とエアーチューブ用のストレートパイプのセット(セット売りしてますが、ホームセンターでも別売りしてます。)を挿入して、エアーチューブに接続します。 ここで重要なのは、散気管の高さ(水深)です。
散気管の高さはスノコ部分より、最低でも3センチくらいは上に位置するようにセットします。 スノコよりも下に散気管をセットするとエアレーションしても、スノコの下にエアーが洩れてパイプ内に上手くエアーが上がらずに濾過できません。
そしてエアレーションを行なうと、リフトパイプ内にエアーがストレートに吹き上がり、水流@の方向で水を吹き上げるようになります。 するとリフトパイプ内は負圧が生まれるので、スノコ下のバルソケの穴から新たな水が吸引され水流Aが生まれます。 これによりスノコ下全体が負圧になるのでスノコの上にあるろ材を通過して水は下方向に流れていくのです。

そして、上のマンガの実写版がこれになります。
左画像の下に穴が開いてますよね?これに右側のバルブソケットという塩ビ継ぎ手をスノコの下になるように、そして左のパーツの水栓ソケットを上になるようにしてネジ合わせます。 右側の画像はネジ合わせて状態で、横から見た画像になります。 この上部分の水栓ソケットに塩ビパイプを糊付けでセットするのです。 穴の大きさは多少大きめでも、ろ材が侵入しなければ良いわけで、上下のネジ合わせで外れなければ問題ありません。






ろ材の洗浄風景。左は新品の軽石。右画像はゼオライト。 プラ舟を使うと洗い易い。  プラ船の下に角材を置くと傾斜が生まれて排水しやすくなります。 大型水槽の場合、洗うろ材の量も多いので、軍手等で指を保護しないと指紋や爪がなくなります。 また、水の濁りはキリがありませんので、微塵が抜けたら良い、位のつもりの洗浄で大丈夫です。
えーと・・・・。
さっきからウールマット。ウールマットと何度も書いてますが、実際は市販のウールマットは貧乏なので買えませんでした。 このウールマットの正体は化学繊維100%の綿入りの古いコタツ布団があったので、1度洗濯した、その布団からウールマットを抜いて使ってます。 だから、廃品利用なのでタダなのです。

さらに、おまけです。(笑)
これは、従来の濾過槽の底面濾過に利用していたセットです。
ホームセンターの園芸コーナーに売ってる「育苗箱」で、大体1個が200円程度です。 ポイントは底面部分がザルの目になっている事で、欲を言えば画像のようにザル目部分に補強が入っているものが上にろ材が載っても凹まないので良いでしょう。  左画像が実際のレイアウトの向きですが、本来の使用方法の逆ですね。 実際、パンチング板は結構高価でして畳1枚分で2万円程度しますので、このような育苗箱の流用も良いかと思います。
1200*600*450で私は3セット使用しました。1セットにリフトパイプを2本つけて6本立ち上げてました。 軽石がろ材では、この底面濾過ユニットは軽すぎて固定し難いので、ユニットの周囲を大磯砂で埋めたり、石で重石をしたりと固定の工夫が必要です。
さて、ここからが本題です。(長い前フリでした)

まず、今回のきらり庵では、建物の建築状況や、諸事情の都合で、水槽部屋を立ち上げてバクテリアが湧いてから既設の水槽から移動するという悠長な状況ではなくて、1日で魚を移動させないといけなかったのですが、アロワナにとって水量は約11倍の新水が待っていますし、ろ材も3倍以上に増量する為、下手すればバクテリアのダメージにも関わらず20匹以上の大型魚が水を汚すのが判っていたので、次の2点で対応する事にしました。
まず、新規ろ材にゼオライトを使用しました。当然、従来のパターンどおり、バーベキュー用の木炭を3キロ投入してますが、pHが酸性域ではアンモニア成分は、活性炭の苦手なアンモニウムイオンの形で存在するわけで、とりあえずバクテリアが立ち上がり、生物的にアンモニア分解してくれるまでの時間分をアンモニウムイオンの吸着が得意なゼオライトに任せたのです。
それと、既設水槽で使用していたウェットろ材を「ヘドロごと洗わずに」新規の濾過槽に移設しました。 このヘドロが種菌となってくれるわけで、理論上、水量やろ材は新規の状態に大幅に希釈されますが、魚の数は一緒なので、発生する汚れの量も一緒なのです。 つまり、理屈上は既設のろ材の容量で、濾過は間に合うわけで、それであえてヘドロとか洗わずに稼動させたわけです。

(尚、ゼオライトの使用に当たっては注意事項があります。ゼオライトは多孔質な性状により水中のアンモニアや硬度成分の吸着による軟水化などの面白い性質を持ったものですが、陽イオンを自由に放出することで陰イオンの物質を吸着し、そして陽イオンを他の陽イオンと交換するイオン交換の性質を有しているため軟水化が可能なのですが、熱帯魚の場合、病気の治療に塩を使うケースも多いことから、ゼオライトは塩により、これまで蓄えたものを放出させて新規の状態に再生させることが出来ますので、言い換えますと、塩の投与にて、これまで蓄えた硬度成分を一気に放出して水質が急変する可能性も孕んでしますので、十分、特性を理解された上でご使用ください。単価も安いですし、塩の投与を絶対しないと考えて実施される分には立ち上げ時の安定度にも寄与できる良いろ材とかと思います。)

案の定、水を廻し始めて丸1日くらいで水はグングン透明度を増していきました。 また、移動に依り色が飛んだ紅龍たちも時間単位で色が戻っていきました。 これは天邪鬼さんと紅小僧さんが実際に立ち会っておられます。

このような方法に依り、丸3日目には水はすっきりと透明になり、魚たちの色も殆ど、元の状態に戻す事が出来ました。

私のような、新水槽の立ち上げ時間の無い方は、上の2点をポイントにご参考頂ければと思います。