ハードなお話し
自作温水器のレポート
『きらり庵の崩壊』で紹介した。ストーブの熱の有効利用について、正確な数値を並べてレポートします。

使用しているストーブは、昔の古い鉄筋用で12畳程度の決して大きなストーブでは有りません。

現在、このストーブの温水を循環させているのは、2000*1500*1000H、1800*900*600H、2000*500*500Hが連動して廻るようにしてあり、総水量は4.472m3もの水量になるわけですが、下記のような結果となっています。
まずは、現在循環していない、水だけ張ってある水槽の水温ですが、

 14.1℃  を示しています。
そして、これが循環している水槽の水温で、

 17.0-17.1℃  を行ったり来たりしています。

なんと。3℃も温度を高くキープできます。
ちなみに、部屋の温度は、高さ1m付近に設置した室温計では、


 15.5℃を示していました。


この3℃の高温キープは、室温にも影響はされますが、たった1台のストーブの余熱利用で4t以上の水を温められるところに私は感動しました!

ちなみに、測定時は 2006,2,20 で
天気は一日、晴れ(花曇り)で、測定時刻はPM6:20で、気温は6℃でした。
たった、1台のストーブで、80m3の部屋が外気温よりも10℃以上暖められ、そして水槽は3℃高くキープできるわけで、大型水槽や水槽部屋をお持ちの方は、このようなヘッダーを載せる方法ではなくて、鍋に水を張ったところにホースを10m程度トグロを巻かせても、同様の効果を出せますので、是非、チャレンジしてみてください。
ちなみに、私の場合、左図のように青いホースがIN側で飼育水を外部フィルターで送り、緑のホースがOUT側ですが、何れのホースも少し、ストーブ上部の廃熱部分に掛かっていますので、ホースは熱で軟らかくはなっていますが、常に水が入れ替わっているためホースが焼けることなどは有りません。

ストーブの全面は加熱部分の背面に凹形の反射板が付いていますので、全面も暖まるため、カルビの居るコタツの側面板全体が加熱されて温まるのと、わざとOUT側ホースを溶けない程度離して余分に纏めて置いておく事で、熱との接触時間を出来るだけキープするようにしています。

ちなみに、ストーブの火力は『最弱』でして、4リットル程度の灯油が丸一日。つまり24時間は給油しなくても良い程度の燃料消費になるような低火力で、この結果ですので、ガンガンストーブを燃やせば、室温も、水槽温度も、更に高温度を維持させることが出来ます。
おまけの話
さて。ここからはおまけの話ではありますが、結構考えさせられる話ですので、もう少しお付き合いください。

この左の水温は、何を意味するかといいますと、ここ最近の最低温度をメモリー出来る機能もあり、それを表示させたものです。

時期的に言えば、2005年12月の寒波の頃の温度と思われます。
と言いますのは、この水温計をセットしている水槽は水草水槽でして、きらり庵セット後、つまり、この水温計をセットしてから、このような温度まで下がることは無かったのです。
それが12月の始めに大半の魚を里親さんに出したことで、水槽用のヒーターを全て電源をOFFにしたため、この温度は寒波での最低水温を示していることとなります。
また、上の水温形でもあるように、現在でも17℃前後ですが、雪が降ると16℃程度まで下がってしまいます。
ところが、この水草水槽の中では、まだペンシルフィシュやA.トーマシーなどは普通に暮らしているのです!
! お恥ずかしい話なのですが、電気代がもう掛からないということをアピールするため、ヒーターは入れられませんので、このような虐待とも取れる水温で水草や魚たちを春の水槽処分時期までキープしていかなければなりませんが、魚たちはもちろん、水草たちもこの水温で何ともないのに、改めて驚いてします。
熱帯魚という言葉どおり、一般のアクアリストの頭の中では、熱帯産の魚の適温はオートヒーターにも有るように、25-26℃程度が『適温』であると考えられていますが、あくまでも大多数の魚を想定しての温度であり、熱帯魚の代表といえるネオンテトラなども、実は22-23℃程度の方が調子がよく、我が家ではレモンテトラなどは25℃よりも23℃程度の方が繁殖も効率が良いことが判明しています。
コリドラス・バルバータスなどは、22℃ぐらいが適温と言われていますし、プレコの渓流タイプも実は適温が25℃よりも下にあったりするわけです。

熱帯魚のイメージは、このような現実との相違もあり、累代飼育して山陰の気候に適合した個体たちは、金魚も寒がるような水温でもたくましく生活することが可能であることを知っておいていただきたいのです。
これはなにも、節約のために皆さんに現在よりも低温で飼育することを推奨するために行っているのではなく、密放流における帰化の可能性に付いてアピールしたいのです。

帰化の可能性のある熱帯魚(と言うか、熱帯魚として販売されている)のアミア・カルバやホーリー、アリゲーター・ガー、ロングノーズ・ガー、マスキー・パイクや、チョウザメなどは、緯度で言えば東北から北海道に相当する北米の五大湖やカナダ・ロシアなどを原産とする魚ですので、帰化の可能性については、ちょっと熱帯魚を飼育して勉強すれば誰でも理解できることですが、一般に熱帯魚と思われている、テトラの類(アマゾンやアフリカなどの熱帯域の魚)も、かなり低温で生育が可能という事実を認識してください。
これらの魚たちを密放流して、大半の魚たちは冬季の低水温で死んでいくことと思いますが、徐々に水温が低下することには、かなりの抵抗力があり、もし放流した場所に工場の温排水などがあり、淀みの存在で流れが少なければ、そのエリアでは局地的に帰化も可能な素地があるのです。

生き物は素晴らしいメカニズムを持ち、これらの厳しい条件に耐えぬいた個体から生まれた子孫たちは、生まれながらに低水温に耐えうる遺伝子を獲得している可能性が高いことが知られており、それでこそ自然淘汰による種の進化が有り得たわけです。

もし。密放流した熱帯魚が、このような特殊環境で生き延びれば、亜熱帯化しつつある日本の各地で、熱帯魚の帰化や生態系の破壊は十分に考えられることを知っておいていただきたいと思います。
2006,2,20