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レンズ選びとその理由2
●レンズの画角は決まったとして、もう一つ大切なのは、レンズの明るさです。
カメラを購入してセットで付いてくるレンズは、F3.5から始まるタイプが大半です。このタイプですと屋外では全く問題ないのですが、部屋撮りでは、いろいろと問題が発生してきます。
明るい暗いという話の前に、簡単に撮影の基本情報をまとめて置きますが、カメラを人間の目に例えた場合、レンズは人間の目玉であり、CCD素子が網膜の役目をしていて、その絵をインプットするのがCFで見た絵を判断するのがPCだと考えますと、CCD部分は光の強弱を、そのまま受ける部分ですが、撮影時の絵の明るい暗いなど、人間の見た目と同じように見えるようにする調整としてシャッタースピードとレンズの絞りは連動した関係にあり、光が強ければシャッタースピードを早くするかレンズを絞って通過する光の量を少なくし、暗い光をCCDに受像させるためには、逆に光を入れてやらないといけませんので、シャッタースピードを遅くして光の通過時間を増やすか、レンズの絞りを開けて、光の量を増やす形で対応していきます。
●つまり、カメラのシャッタースピードとレンズの絞りは連動していることから、水槽のような、屋外撮影に比べた場合、光が足りないような場合、シャッタースピードを遅くして光の通過時間を稼がないといけないのですが、一定スピード以下のシャッタースピードでは、シャッターが開いている間に魚が動いてしまえば被写体ブレが発生しますし、手ブレも発生してきます。
●そうなると一定以下にシャッタースピードを遅く出来ないとなればレンズの絞りを開けてやる必要が出てくるわけですが、そこで重要なのがレンズの開放絞り数値(F値)です。この数字が小さいほど、開放時の光の通過量は大きくなるわけで『F値の明るさ』と言う表現をするわけですが、F値が小さいほど明るいレンズであると覚えてください。
●ちなみにレンズの規格の表し方として焦点距離/開放絞り数値(F値)と表現する場合が殆どでEF50mmF1.8 というレンズであるならば、焦点距離が50mmに固定されている、開放F値が1.8のレンズであると意味しています。焦点距離が変化するズームレンズは、例えば35-70mm/F3.5-5と言う場合、焦点距離が35mmから70mmまで可変でき、35mmでのF値が3.5で、ズーミングしていき70mm時にはF値が5になるレンズを意味しています。
F値を大きくすると(レンズを絞ると)シャッタースピードは遅くなる
●当然、F値を開放にすればシャッタースピードは速く出来ますので、被写体ブレや手ブレは起きにくくなりますが、今度は被写界深度の問題が発生します。
被写界深度とは、簡単に言えば『ピントが合ったように見える遠近域の範囲』と言うような意味で、絞り数値が小さくなると(絞り開放側)、被写界深度は浅くなりピントの合う部分は極めて少なくなります。
●アートとしてピントの合わない部分はボケて見える絵を撮ることもアリだとは思いますが、熱帯魚撮影では、まず、どんな魚かを表現する以上、記録的な要素も強くアロワナの場合ヒゲの先から尾の先までピントが合って見えませんと、どんな魚だか、その個体の特徴を表現することは出来ません。したがってヒゲの先から尾の先までピントが合うように撮影するとすれば、被写界深度の浅い絞り開放側では、水槽の前面に真横にピッタリと魚がくっついているときを狙わないと良い絵にならないわけで、そうなるとカタログ的な絵しか撮れません。魚の立体感を表現するには手前から奥までの動きを入れないと何枚も同じような絵ばかり撮るハメになります。
●また、F値がちいさくなるほどピントの合う部分が少なくなり、立体的な魚の場合は、通常、そのレンズの開放絞り数値より2段から3段絞ることでボケの少ないシャープな絵が撮れるわけですので、標準レンズにありがちな開放F値4前後ならば、綺麗に写る絞り数値はf=6前後は欲しいわけですが、そうなると、それだけシャッタースピードは遅くなってしまい、ブレやすくなるわけです。
●これが開放F値が2.8のレンズならば2段絞ってもf=4程度で、シャープに写ってくるので、暗いレンズよりシャッタースピードは確実に稼げるため、ブレる失敗は減るわけです。
上の画像は、EF50mm F2.5コンパクトMACROによるISO1600での撮影で、左がf=2.8 SS=1/45での撮影状態で、真横なのでなんとか絵にはなってますが、ピント的には厳しい絵です^^; 右はf=8.0 SS=1/8での撮影で、いずれも手撮りですが、アクリル板に映りこんだ私の腕や、入り口の窓ガラスを見る限り手ブレは、ほぼありませんでしたが被写体は流れてしまい心霊写真のようになってしまってます^^;
F値が2.5→8.0に変化することでシャッタースピードは大幅に落ちてしまいますね^^;
ちなみに、このレンズの開放F値であるf=2.5での絵はピントが合っている場所が判らないほど被写界深度が浅くて使えませんでした^^;
一般にアロワナは幼魚であるほど、チョコチョコと動きますので、1/45以下のシャッタースピードではブレてしまうことが多いようです。成魚の場合、ホバリングして静止していたり、動きもゆっくりですので、特に単独飼育ですと1/20程度のスピードでも結構撮れます。
被写界深度は大切です。
これもコンパクトMACROによる撮影ですが、屋外とはいえPM6:00ですので、日が長くなったとは言え、ISO感度100では手撮りでは厳しい条件です。
左上の画像はf=2.5 SS=1/350と高速シャッターが切れましたが、赤い矢印部分のみ、かろうじてピントが来てます。いずれもAF撮影ですので、本来ならばマニュアルで撮るべきシーンです。右上はf=6.7 SS=1/45となり、やや手ブレに注意が必要になりますが、ピンとの来ているエリアも増えて、絵的には最もバランスが取れてました。下の画像はf=16 SS=1/8の条件で、カメラの液晶では綺麗に撮れてるようでしたがPCで見ましたら手ブレが起きてました(涙) 一気にシャッタースピードは落ちるのが理解していただけるでしょう。
今度は同じレンズ同じISO感度で三脚にて撮影です。平面に50mm感覚でオブジェを置いて撮影しましたが、左上の画像が絞り開放f=2.5 屋内なのでSS=1/90でピンク矢印にピンが来てますが他はボケボケです。右上ではf=9.5でSS=1/6です。手撮りならボケてますが三脚サマサマです(笑)手前の過背金龍は、かなりシャープに見えます。 そして下の画像がf=22とかなり絞り、SS=1秒です。動物ならば何が映ってるか流れて判らないでしょう(笑) north faceのピンバッジまではシャープに映ってます。このレンズのクセで、ここまで絞ると光の回折で本来なら絞ればシャープになるはずですが、逆にやや雑になってます^^; これは10Dでの撮影ですがkissDだとミラーショックで、ブレる可能性の出る
シャッタースピードだともいえます。(更にシャッタースピードが遅い場合、10Dの場合、ミラーアップといってシャッターを空けている時のミラーショックによるブレを防止する撮影法を採る事が出来ます。)kissDと10DとではkissDがペンタダハミラー式に比べて10Dはペンタプリズムを採用していることから、シャッター開閉時のショックは10Dの方が少ないようです。ニコン70Dなども試写してみましたが、多くのエントリー機は軽量ボディーが売りである反面、シャッター開閉時の振動は大きく感じました。
●とまあ。室内撮りでは、とにかく暗いとシャッタースピードも遅くなるため、少しでも絞ることが出来る明るいレンズ。少しでも絞り開放側でシャッタースピードを稼げる明るいレンズが有利であるのに越したことは無いです。もちろん、家族を撮るならフラッシュを焚くのもありですが、フラッシュ特有の平板な絵になる恐れもあり、魚の場合は水槽への反射を考えるとノンストロボでの撮影が基本になるかと思われます。
●F値の明るいレンズは単純に価格も倍〜数倍に跳ね上がりますが、多くのマニアの人が明るいレンズをタイマイはたいて買うには、そりなりの理由があり、上のような、撮ろうにも撮れない経験に郷を煮やしてのことで、見栄やカッコではなく、本当に欲しくなる状況が出てきます。
●個人的には開放F値2.8よりも小さいレンズを持たれるのをお勧めします。
●明るくて広角のレンズでは純正でも20mm F1.8なんてのがありますし、最近は10mmや14mmなんてのもあります。シグマのようなサードパーティでも同規格のレンズがあります。ただ、いろいろな評価を聞くと、この手の大口径の明るい広角レンズは、開放値での絵は周辺部の絵が流れたように歪んだりボケて写り、描写的に難しいという話も聞きますし、純正でもAFでピントが前ピンや後ピンであるケースも大量生産であることから、意外と多いらしいのですが、純正レンズの場合、カメラと同時持込でピント調整もしてもらえます。サードパーティ製では、当然純正メーカーではないのでピントがズレてもレンズのみのピント調整依頼となり、自分のカメラとのマッチングは取れませんが、価格が同規格でも安いですし、規格によっては純正レンズよりも描写が優れているタイプもありますので、このあたりは悩ましいですね。
レンズ選びのポイントは?
●いろいろ書きましたが、纏めて見ます。
●レンズは、付属でついてくるレンズの場合、屋外では、かなり優秀ですが、室内撮影には向かない場合も有ります。
●お勧めは純正レンズです。純正の良いところはピント調整などメーカーの対応が期待できる点が良いところです。また、現行のEFシリーズのレンズであれば、全て使用が可能です。(但し、最近のデジタル専用のEF-Sレンズは10Dや1Dなどは装着できません) しかし、サードパーティーに比べますと、どうしても高価ですので、社外のレンズを購入する方も少なくないですし、レンズによっては純正よりも評価の高いレンズも有ります。
●他社品で注意が必要なのは、古いレンズの場合、デジカメに対応していないタイプも少なくなく、装着時に『Err 99』と言う表示が出て、撮影できない場合もあります。 例えばSIGMAの場合、昔のレンズは殆ど使えず、私の持っている17-35mmF2.8-4.0もエラーが出ましたが、SIGMAは比較的新しいレンズの場合、無償でデジタル対応のROMに交換するサービスをやってくれます。その他、SIGMAではデジタルと銀塩の両方に使えるDGタイプと、デジタル専用のDCタイプがありますが、DCは専用設計のため、何れの機種も好評のようです。
TAMRONも90mmマクロは価格も純正よりかなり安い上、純正よりも綺麗に撮れるシーンもあり評価は高いようです。品番がAではじまるタイプはデジタルにも使えると思います。デジタル専用設計のDiシリーズもあります。その他、TOKINAやCOSINAもありますが、これは私は持っている人が知り合いに少ないので、ネットで検索してみてください^^;
●私のようにネットオークションで安い中古を探されている方は、必ず、出品者にデジタルで使用できるか確認しておくべきです。また、ジャンク品としてはAFが使えないが、他は使えるというものでしたら練習用・緊急用には価格さえ合えばアリかとおもいます。その他の状態としてはレンズ内のカビや埃ですが、これは程度問題で、特に埃の場合、ズームレンズは大なり小なり入るとのことですので、割り切って購入するのも良いかと思います。多少の埃やチリは肉眼で見て付着が確認されても、よほど絞らないと画像には写らなかったり、周辺部の曇りなどもデジタルの場合、焦点距離の関係でレンズ中央部分の描写が中心となってくる分、周辺部の欠点が見えなくなることもあり、安ければアリかとも思います。
●その他明るい大口径を選ぶと、レンズ重量がカメラより重くなり、置いた時や持った時のバランスが悪くなったり、フィルターもデジタル専用の薄枠タイプじゃないと光の関係で写りが低下したり(ケラれたり)しますので、結構、フィルター代だけでも高価になりますし、内蔵ストロボの光がレンズの口径が大きすぎて、画像の下半分が黒くなったりすることもあり、それらの情報をいろいろと下調べして購入されることをお勧めします。
2005,5,5